ハノイの伝統的ビアホイグラス　ビールジョッキ　ベトナムの屋台文化を感じる　無骨で温かみのあるビールグ

■ベトナム・ハノイの「ビア・ホイ」文化
ハノイの街角で夕方になると、路上のプラスチック椅子に腰かけた人々が陽気に語らいながらグラスを傾ける光景が広がります。「モッハイバーヨー」という乾杯の掛け声とともに、楽しそうな彼らが飲んでいるのは「ビア・ホイ（Bia Hoi）」と呼ばれる生ビール。毎日新鮮に醸造されるビア・ホイは、軽やかで飲みやすくリーズナブル。そのため、仕事終わりの地元の人々が気軽に楽しむ庶民のビールとして愛されています。


■ビアホイグラスの動画です




■ビアホイグラスの魅力
そんなビア・ホイの魅力をさらに引き立てるのが、このビア・ホイグラスです。ティラキタスタッフも、ハノイを訪れると、必ずビア・ホイを飲みに行きます。そしてビア・ホイにはこのグラスが欠かせません。厚みのあるガラスで作られたこのグラスは、夏のハノイの気候の中でも冷えたビールの温度を保ちやすく、手にしっくり馴染むサイズ感も魅力的。酔っ払っていても倒れにくい、ずっしりとした安定感があります。


厚みのあるガラス、無骨でラフな仕上げ。緩やかに歪んだ形状と、少し不均一なガラスの質感。色合いは薄っすらとした青色や緑色。さらに、気泡が入っていてどこかレトロ感もありとても素敵な見た目をしています。


触ってみると分かるのですが、表面が全体的に滑らかな凹凸があり滑りにくさに加え、手に持ったときに独自な心地よさがあります。温かみを感じるデザインのビアホイグラスには、ハノイの雑多で活気のある開放的な雰囲気が詰まっています。




■ビアホイグラスの歴史
ビアホイグラスは、レ・フイ・ヴァン氏という若きデザイナーによって作られました。ヴァン氏は留学先のドイツの芸術大学で学び終えハノイに戻ってきた後、ベトナム政府の工業協同組合の技術部門に配属され、そこで後に「ビア・ホイグラスの誕生地」となる仕事に携わることになります。


当時のハノイには、ビール工場は一つしかなく、地元の人達はビールを飲むために適したグラスすら持っていなかったそうです。1976年のある日、ヴァン氏は上司からハノイの専用グラスをデザインするよう指示を受け、1時間ほどでスケッチを仕上げ、その3日後には最初の試作品を完成させました。


ヴァン氏は、ハノイの人々がビールを飲むのは、屋台の雰囲気を楽しむためと語っています。仕事終わりの蒸し暑い午後、仲間と一緒に語らいながら飲むビール、それこそがビア・ホイの魅力です。


■ソイ・チー村で手作り

ビアホイグラスは、ハノイから車で約2時間のナムディン省ソイ・チー村で、熟練の職人によって昔ながらの製法で作られています。素材のガラスを約6時間かけて溶かし、長い中空のパイプで吹き込みながら成形。その後、鋼型に入れて形を整え、グラスの口径をボトルに合わせて微調整します。仕上げたグラスは、急冷による破損を防ぐため、灰の中に埋めてゆっくり冷却。伝統を受け継ぎ、梱包も割れないように乾燥した植物の茎を緩衝材にして、そのほとんどをハノイに送っています。かつて多くの工房があったこの村も、現在では3軒のみが生産を続けており、手間暇かけて作られるこのグラスは、今や貴重な存在となっています。


■ご注意：クオリティも70年代のままです
ビアホイグラスは、1970年代から現在まで当時と変わらない手作業による製法で作られており、そのレトロな風合いが魅力の一つとなっています。しかし、そ